※ネタバレ注意でお読みください。
映画『KU-KAI~美しき王妃の謎~』を見てきました。
1人で。
奥さんと娘は『ドラえもん』です。
この映画のことを知ったのは、先月発売になったばかりの『心を洗う 断捨離と空海』の制作が始まってずいぶん経ってから。
この本は中国での発売も計画していて、話題作りのために、日中同時発売を目指そうということになっていて、
本来ならもう少し先の発売になる予定でした。
が、空海の映画が公開されると知って、それならそのタイミングに合わせよう! ということになり、
急遽、発売日を前倒しにしたという。
なので、公開をすっごく楽しみにしてました。
ずいぶん昔に作られた映画で、やはり『空海』という映画があって、
これは北大路欣也が主演の空海の人生を描いた作品だったんですが、ちょっとついて行けず、途中でリタイヤしてしまっていたので、
今回の映画ではどんなふうに空海が描かれるんだろうと、それはもうワクワクしてました。
つい最近までは・・・。
そして映画が公開され、見たという方の評判を聞くと、賛否両論。というか、否の方が多かったかな。
空海と関係ないじゃん、とか、原作と違う、とか、黒猫が怖いとか(笑)。
途中で退席したとか、意味がわからんとか、もう散々。
そんな意見を聞いたうえで見に行ったので、かなりハードル下がってました。
もう、空海のことをこの映画で知ろうとは期待してなかったんです。
たぶんみんな『KU-KAI』というタイトルから、空海の人生を描いた映画なんじゃないかと思ったんじゃないでしょうか。
そうじゃないんですね。
だって、オリジナルの映画のタイトルは『妖猫傳』で、英語のタイトルは『Legend of the Demon Cat』です。
どこにも「空海」なんてないんです。大事なのは「猫」です。日本版だけが『KU-KAI』なんですね。
まあ、考えてみれば、日中合作で、監督も中国人。空海のことなんてそんな興味あるわけないし。知りもしないだろうし。
なので、この映画では空海のことを知ろう、なんて思っちゃだめです。
史実も無茶苦茶です。空海は遣唐使として唐に行ったってのに、なんだか自分で勝手に船に乗り込んで渡航したみたいな感じになってます。
乳飲み子連れた母親と荒れる船内で語り合っちゃったりとか、ありえないでしょ。
遣唐使船に乳飲み子抱えた貧しそうな母親なんていないから。
原作では橘晩勢(はやなり)が友人なんですが、そこんところも変わってます。
晩勢、出てきません。悔しかろう、晩勢・・・。まあ、仕方ないです。ちょっと残念ですが。
なので、空海を知ろうと思って、歴史映画を見るノリで見に行ってはいけません。
これは、黒猫が主人公です。
猫が嫌いな人は見ちゃだめです。怖いです。
空海は謎解きの探偵みたいな役。金田一耕助か明智小五郎かコナンか金田一少年か・・・。
空海がどういう人物かとか経緯とかはあんま関係ないんですね、この映画のストーリー上は。
で、そうやって割り切って見てしまえば・・・、面白いです。
原作は1巻の最初の方しかまだ読んでないので、原作と違う! とか、そういうこともあまり意識しないで見られたので、
空海なんてそんな興味ないし、歴史もそんな好きじゃないし、エンタメと映像が好き、って感じで見てたら、
それはそれで面白いと思います。
映像はきれい。CGもセットも。金かけてんな~って感じ。
空海が恵果和尚のもとで学んだ青龍寺、本物かと思ったらセットなんだって。
あれ、映画のために作ったのか・・・。すごいな。
阿倍仲麻呂、出てきます。阿部寛です。阿部ちゃんが阿倍をやります。
映画の中で「アベ」と呼ばれてます。どうでもいいですね。
正直、あんまり大事なキャラクターとも思えない・・・。
ぶっちゃけ、ちょい役です。なので期待しすぎないように。
感情移入しやすいのは黒猫と楊貴妃ですかね。切ないです。
で、見る前に、玄宗と楊貴妃や白居易のことは調べていった方がいいと思います。
そこ知らないとストーリー追えませんから。
楊貴妃、実は日本に逃げてきたなんて伝説もあったりします。
もちろんそんなことは映画には触れられてませんが、こういう伝説が生まれても不思議ではないな~
なんて思ったりして。
なんか、ディスってるように思われる方もいるかもしれませんが、
面白かったです。ほんとに。
小さな子供連れて見に行くと、あれこれ質問されそうでめんどくさいので、おひとりでどうぞ。
ちなみに上野のパルコに入ってるTOHOシネマズ上野で見たんですが、年齢層かなり高かったです。
けっこう入ってました。
きっと、空海に興味があって見に来たんだと思います。
感想が聞いてみたいです。
帰りに喫茶店でコーヒー休憩。
原作、4巻まであります。楽しみです。