さあ、いよいよ出雲旅のラストです。熊野大社を後にして向かったのは神魂神社(かもすじんじゃ)。歴史も格式もある立派な神社なんですが、知名度はちょっと低いかも。観光客はあまり訪れない、知る人ぞ知る神社。それだからこそ、神社好きにはぞくぞくする神社です。
アマテラスの次男、アメノホヒが建てた神社と言われています。御祭神はイザナミ。夫のイザナギを合祀しています。ここでも男のイザナギは添え物・・・。
このアメノホヒとは母アマテラスから、葦原の中つ国(オオクニヌシのおさめる世界)を平定するために高天原から派遣されたにもかかわらず、オオクニヌシに惚れ込んでしまって、3年もの間そのまま住み着いちゃったという、ちょっと呑気な神様です(業を煮やしたアマテラスがそのあと武神タケミカヅチを派遣して、国譲りとなります)。
ただ、「出雲国造神賀詞」によると、実はちゃんと報告していて、息子と剣の神フツヌシとともに地上を平定した英雄として讃えられているそうです。まあ、この文章はアメノホヒの子孫が書いたものなので、美化してるのかもしれませんが(笑)。
アメノホヒの子孫が出雲国国造となり、出雲大社の宮司家へとなっていくわけですが、この国造家はもともとこの神魂神社のあたりにあり、こここそが古代出雲の中心地だったようです。
25代までは宮司家はここにいたそうです。今でも出雲大社の宮司の代替わりの際にはこの神魂神社で聖職者継承のための神事を行うんだとか。
石段を登った先に拝殿と本殿があります。
本殿は現存する最古の大社造りで、国宝となっています。
本殿の千木は内削ぎ(切り口が水平)で、鰹木は3本(奇数)。普通は内削ぎの場合は偶数で女神を、外土岐の場合は奇数で男神を祀るのがお決まりなんですが、ここでは普通と違う作りになっています。
本殿には天井画があり、そこには9つの雲が描かれています。出雲大社の天井画「八雲之図」には雲が7つしか描かれていないというのも、なんか意味深です。
境内にある摂社はどれも趣があり、いい雰囲気。
貴布祢稲荷両神社。こちらも重要文化財。
荒神さん。なかにはやっぱり藁蛇が。左の奥に洞穴があり、なんともオカルトチックな雰囲気。鳥居の感じといい、プリミティブ感がはんぱない。
ここでトラさんの考察をみんなで聞き入ります。今回の出雲旅にはこの藁蛇がよく出てきました。
はじホツチームを祝福するかのような青空。そして白い雲。
2泊3日の最後の神社。感慨ひとしおです。
参拝を終えて、駐車場に戻ると、帰宅途中の高校生に出会います。みんなくりくり坊主。僕らを見ると「こんにちは~」と挨拶してくれます。以前、取材で訪れた際にも同じようにみんながみんな見ず知らずの僕らに挨拶してくれて、感動したものです。数年たって、今でも同じように挨拶してくれて、とっても嬉しかった。
バスに乗ってみんなが集まるのを待っていると、誰かがバスの中から外を見て声を上げました。窓の向こうの青空に、虹が垂直に立っていたんです。もうびっくり。
初日、美保神社へ向かうときに立派な虹を見せていただきましたが、最後の最後にこんな不思議な虹が見られるなんて。そういえば滋賀県の高島に行った時の神社旅でも、帰りの電車で大きな虹を見ることができました。たかが虹、されど虹。嬉しいですねえ。写真撮り忘れましたけど、脳裏にしっかり焼き付いてます。
ということで、出雲神社旅、大団円。虹に見守られながらバスで空港へ向かいます。
空港で念願の出雲そばとビール。最高です。
2泊3日の出雲神社旅。これにて終了です。やり切りました。もう抜け殻(笑)。
今年はどこに行こうかな。今から楽しみです。
この神社旅で興味を持たれた方、次回の旅をご一緒しませんか?
おわり。